8月6日、PayPayドームで行われた
ソフトバンクホークス vs 日本ハムファイターズの試合を現地観戦してきた。
この日の試合は、 野村勇選手 の勝ち越しホームランで一気に球場が沸いた。 しかし、その直後の 9回表の攻防があまりにも濃密で、現地で見ていて手汗が止まらなかった。
この記事では、その9回表を中心に振り返る。
■ 9回表:ホークス守護神・杉山投手 がマウンドへ
勝ち越した直後の最終回。 ホークスは守護神・杉山投手を投入。
ここからの攻防が本当に痺れた。
■ 先頭:有薗選手
杉山投手は アウトコース中心・全て直球勝負。
有薗選手は
低めをしっかり見極め
「打てる高さだけ」 に絞ってスイングしているように見えた。
杉山投手にはフォークがあるため、 低めを捨てていた可能性も十分ある。
結果は四球。 有薗選手の“割り切り”が勝った形だった。
■ 無死一塁:五十幡選手
ここで代走から出場していた 五十幡選手。
正直、 「清宮選手が残っていたら……」 と一瞬思ってしまった。
というのも、6回同点タイムリー直後、 二死一二塁で清宮選手に代走を送った新庄監督の決断がかなり大胆だったから。 6回でしかも二死から切り札は早すぎるのではと。。。
ただ、この采配が後に“意味を持つ”ことになる。
● 五十幡選手、直球3球目をライトへ二塁打
有薗選手への攻めを見ていたのか、 杉山投手が 全て直球勝負してくると判断したのか。
五十幡選手は 3球目のストレートを思い切って引っ張り、ライトへ二塁打。
完全に“張っていた”スイング。 根拠を持った思い切りの良さが結果に繋がった。
球場の空気が一気に変わった瞬間だった。
■ 無死二三塁:新庄監督、まさかの采配
ここで新庄監督が選んだのは ルーキー・常谷選手。
左の田宮選手が残っていたので、 「代打なら田宮選手だろう」と誰もが思ったはず。
しかし新庄監督は、まさかのルーキー起用。
● 杉山投手・海野捕手バッテリーの読み勝ち
さすがに杉山投手・海野捕手バッテリーも前二人の対応も見て 「真っ直ぐに張ってくる」ことは分かっていたはず。
配球は
初球のみ直球
以降は全てフォーク
常谷選手は当てるのが精一杯という感じで、 杉山投手が見事に三振を奪った。
■ 続く進藤選手の打席:代打は田宮選手…ではなく清水選手
ここで代打田宮選手かと思いきや、 新庄監督が選んだのは 清水選手。
田宮選手の相性が悪いのか、 杉山投手には右打者の方が良いというデータがあるのか、 理由は分からないが、かなり意外な采配だった。
● 杉山投手の“ピッチトンネル”が光る
この打席は
低めのストレート
同じ軌道から落ちるフォーク
という“ピッチトンネル”を使った投球。
ここから海野捕手のブロッキングが本当に光っていた。 杉山投手も素晴らしく、見事に二者連続三振。
■ 無死二三塁 → 二死二三塁
ただし、同点のランナーは二塁。 しかも走者は五十幡選手。
ここでふと気づいたのが、 外野が全然前に来ていないこと。
二塁ランナーが五十幡選手の時点で、 「同点はOK。逆転のランナーを得点圏に置くことだけは避けたい」という守備位置。
ホームで裏の攻撃がある以上、 これは当然の判断だと現地で自己解決した。
■ 二死二三塁:野村選手
ここが本当に見応えのある勝負だった。
先頭二人には直球のみで出塁を許し、 その後二人にはフォーク中心に切り替えて攻めていた杉山投手。
そんな中で迎えた 野村選手。
● 直球2球であっさり追い込む
野村選手はフォークへの意識が強かったのか、 直球2球であっさり 0-2。
ここで投手心理としては 「ボール球を3つ使える」 という有利な状況。
しかし、ランナーは三塁。 フォークは投げづらい場面。
● 海野捕手の“壁性能”が異常
ここで海野捕手が凄かった。
0-2から4球連続フォーク。 しかも手前でバウンドする球も多い。
全部止める。
まじで壁。 こんなキャッチャーがいたら、投手はいつでもフォーク投げられる。
野村選手もフォークをしっかり見極めてバットを止め続けたが、 最後は高めに抜けた直球を見切って四球。
杉山投手の「絶対に抜けてあまくなってはいけない」という丁寧な勝負が伝わってきた。
■ 二死満塁:今日HRの万波選手
ここが今日一番痺れた。
二死満塁、2点差。 打者は 万波選手。
● 初球:真っ直ぐ → フルスイング空振り
万波選手は真っ直ぐに全ベットのフルスイング。
この初球で 「真っ直ぐに張っている」 ことをバッテリーに意識させた可能性が高い。
つまり、フォークでかわす選択肢が生まれる場面。
● しかし2球目も真っ直ぐ
完全に万波選手の裏をかいた形。 これがストライクになったことで、バッテリーが一気に有利に。
正直、この時点で「勝負あり」と思った。
● 3球目:真っ直ぐ → ファウル
万波選手はフォークをより強く意識せざるを得ない状況。
● 4球目:また真っ直ぐ → 外角いっぱい見逃し三振
これは打てない。 完璧な配球と完璧な投球。
前の打者までフォーク中心だったのに、 万波選手では直球勝負に切り替えるという大胆さ。 万波選手の頭の中をバッテリーが全て理解していたかのよう。
9回表だけで、1試合分の心理戦を見た気がした。
■ まとめ:濃すぎる9回表だった
有薗選手の割り切り
五十幡選手の直球張り
新庄監督の大胆采配
杉山投手の真っ向勝負
海野捕手のブロッキング
野村選手とのフォーク勝負
万波選手との直球勝負
すべてが濃くて、 18.44mの中で起きる心理戦を全身で浴びた9回表だった。
現地で観られて本当に良かった。
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